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2018-09-16

植物の吉祥文様

先日、渋谷の戸栗美術館で、『古伊万里植物図鑑展』を観てきました♪

江戸時代の伊万里焼の文様から、四季折々の植物たちを人々がどのように捉えていたのかを垣間見る楽しい展示でした。

植物がこういった焼き物や着物などでモチーフ化されるのは、その造形的な美しさや身近な親しみだけでなく、主に中国から伝わった吉祥、つまり縁起の良い意味があるからだったりします。

(それが日本独自に解釈されることももちろんあります。)

簡単にそれぞれの植物の吉祥をまとめてみます!

●梅・竹・菊・蘭

これらは4つセットで四君子と呼ばれています。

徳・学・礼・品を備えている人物を表しますが、それらの要素の象徴としてこの4つの植物がモチーフとされています。

梅はまだ雪が積もる中で最初に花を咲かせ、
竹は寒い冬にも葉を落とさず、真っ直ぐにしなやかに育ち、
菊は冬に向かう厳しさの前に艶やかに咲き誇り、
蘭は気品のある香りを放ちます。

着物の柄にもなっていますが、4つの違う季節の植物が一緒になっているので、個人的には吉祥文様とはいえ、何となく不思議な感じです。

ちなみに、菊は日本の花って感じがしますが、奈良時代に中国から渡来した花ですね。中国では薬として使われていたので、健康長寿という縁起の良さも加えられています。

 

 

●藤

寿命が長いので古来神が宿るとされ神事にかかせなかったそうです。
藤原氏の繁栄で高く格付けされて、公家装束や調度品に描かれたそうな。

藤は日本原産の植物ですね。
藤棚もいいですが、野生の藤を今年の春に岡山で観た時は感動的でした^^

 

●唐草

植物の蔓の文様は、西洋の美術品、調度品にも非常によく使われているモチーフですね。古くは、古代エジプトの神殿の文様にも使われていたとか。

ヨーロッパから中国を経由して日本に伝わってきた唐草文様は、蔓の長く連なる様子が、子孫が途切れることなく続いていくことの象徴なのだそうです。

 

●葡萄・柘榴(ざくろ)

実の多さから、豊穣や子だくさんの意味がある葡萄や柘榴。そんなことから、柘榴は子守りの神様、鬼子母神の吉祥果でもあります。また、葡萄は、その蔓から、子孫繁栄のシンボルでもあったりします。

 

●蓮

蓮を中国語風に発音した「りあん」が「恋」という発音に通じるらしく、そこから子孫繁栄を想起されるようになったそうです。

恋→結婚→子ども出産!!ってことでしょうか。

ちょっと遠い気もしますが、蓮が好きなので良いとします!

 

●瓢箪

ひょうたんは、中が空洞になっているので、そこに神の気が宿るとされて、祭祀に使用されてきたそうです。

ちなみに、縄文時代には渡来しているものの、ひょうたんはアフリカ原産なのですよね。

 

●椿

一年中葉を落とさない常緑樹であり、まだ寒さの厳しい早春に花をつけるので、聖なる木として御神木にもなったりしています。

椿の花はボトッと首から落ちるので、室町時代の花伝書には、出陣やお祝いの席では生けぬようにと書かれていたようですが、

徳川家が椿が好きだったので、当時の品々にはモチーフ柄としてよく使われるようになったんだとか。

好きならいいんだ(笑)

平和な江戸時代!

 

●桐

中国では、慶事のシンボルである鳳凰が棲むとされているので、こちらも吉祥文様として日本で広く使われるようになりました。

でも、中国で桐と言えば梧桐(ことう)という植物で、日本で桐とされるものとは違う植物だそうなので、日本の桐には鳳凰は棲んでくれないでしょうね(笑)

 

●水仙

仙の文字が仙人を彷彿させることから、縁起がよいとされてるそうです。

ちなみに、水仙は、日本水仙とかもあるのに、地中海生まれ!

個人的に、寒い冬に癒やしをもらう、香りや佇まいがとっても好きな花です♪

 

こんな感じで、植物には、人が暮らしの中で投影した文化的な意味があるので、文様を見る時はどんな気持ちがこもってるのだろう、どんな時に使われたんだろうと考えながら観たりできるのが面白いですね!

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