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2019-04-13

ユリ過ごした日々のメモ

先日はウェディングで百合のブーケをお届けさせていただく機会があったので、このところ、たくさんの百合と過ごしました♪

というのも、百合は蕾の状態で入荷し、当日に一番綺麗な状態で咲いてもらうために開花調整が必要なので、もしもうまく咲かなかった場合の事を考えて、日をずらして多めに入荷する必要があるんです。

 

また、1本に花が5輪ついていたとしても、1番下から2〜3日の時間差を置いて咲いていくので、同じタイミングに咲いてくれるのは下から1輪か2輪。

なので、たくさん蕾がついていたとしても、当日使えるのはその内1〜2輪とカウントして多く入荷しないといけないわけですね。

そして、時間差で余った百合の上の方の蕾が咲いてくるので、ウェディングが終わった今も、アトリエや自宅で百合を楽しんでいます。

 

 

今回は、オリエンタル系の大輪の白い百合を使わせていただいたのですが、いくつか違う品種があったので、今後のためにメモしておこうと思います!

 

 

↑こちらは横向きに咲くカサブランカと、

上向きに咲くカイエンタ。

 

 

例えば、人の目線の位置で花瓶に生けるのであれば、このカサブランカのように横向きに咲いてくれる方がいい。カイエンタではそっぽ向いてるように見えてしまう。↓こんな風に(笑)

 

 

でも、上向きと横向きを組み合わせてブーケのようにまとめることもできたり。

 

 

それから、

これは波打つ花弁が美しいプレミアムブロンド(上)とシルキーでシュッとしているザンベジ(下)

ザンペジは花弁にスポットがないばかりか、突起物のようなものもなく、ツルンとしているので、よりノーブルでイノセントな雰囲気ではあるけど、何も無さ過ぎて淡白な感じにも見えてしまう。

適材適所にすればいいので、ザンベジ自体に良し悪しはないのですが、今回のウェディングで目指す気品があり圧倒される麗しさを演出するには物足りないので使いませんでした。

花弁も薄く、付き方も不安定なので、ポロッと落ちそうな気もしました。

↑こういうケバケバの突起は白いので目立たないのだけど、深みのあるニュアンスが出るのですよね〜

 

 

シベリアは上からくるくると巻くように開きますが、

カサブランカやカイエンタは花弁の付け根から角度がカパっと開いていく咲き方でした。

 

 

そういえば、百合によって雄しべの花粉が詰まっている袋である「葯(やく)」が破裂するタイミングも違うように思いました。

葯が破裂して花粉が出てしまうと、花弁について汚く見えたり、洋服についてしまうので、葯が破裂する前にピンセットで一輪一輪取るんですね。

 

で、たとえばプレミアムブロンドなど、今まで使ったことのあるオリエンタルユリはこのくらい開いてもまだ葯が破裂しなかったのですが、

今回初めて使ったカイエンタは、蕾に2センチくらい隙間が開いた段階でもう葯が破裂していたりしたので、

いくつか花弁に花粉が付いてしまい、お蔵入りとなってしまいました(T_T)

 

温かいと2時間くらいで2cm位は開いたりするので、

今度こっち!

こっちも開いた!

と付きっきりで、ピンセットがギリギリ入るくらいに開いた蕾を見つけては花粉をとって上げる作業を。

せっかく咲いてくれても花粉がついて使えなくなってしまっては輪数が足りなくなってしまうので、ハラハラしました。

 

それにしても、香りも華やかで、ビジュアル的にもうっとりするユリとたくさん接することができて幸せでした!

 

 

以下まとめ

————-

●プレミアムブロンド

茶色い雌しべ、波打つ花弁、スポットはないが、白い突起があるのでニュアンスが出る。

気品があって美しい!でも多きすぎてブートニアやヘアパーツには不向き・・・

花は上向きに咲く。

 

●カイエンタ

緑の雌しべ。3枚の萼だけ巻きが強い?

白い突起、ゴージャスな咲き方。花は上向き。

 

●カサブランカ

萼の外側が若干茶色い。茶色い雌しべ。白い突起。

横向きに咲く。

 

●ザンペジ

やや小さい。

突起なしのシルキーで薄い花弁。

花弁の付き方が弱く取れてしまいそう。

花弁のフリルはないが、萼の3枚だけ若干うねりがある。

 

●シベリア

やや花弁の幅が狭い。

萼だけでなく花弁の巻き込みも強い。

茶色い雌しべ。

 

 

白いオリエンタル系のユリっていうだけでこれ以上にもたっくさんありますし、

個体差もあると思うので、

もっとたくさんユリ達と接して仲良くなりたいものです!

 

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