デカダンス映画 サテリコン フェデリコ・フェリーニ
某I監督に、好きな花は何かと聞かれ、
咲いているときは白く麗しいのに、最期は茶色くぐちゃぐちゃになってもしがみついてるクチナシの花が好きだと言ったら、
フェデリコ・フェリーニのサテリコンという映画を勧めてくれました。
Iノマタ監督は、高校生の時に映画館で観て衝撃を受け、「難解だけど惹かれる魅力はいったいなんなんでしょうか」と淀川長治さんと会った時に尋ねたら、
「君はデカダンスというものを知ってしまったね。デカダンスとは花が枯れていくさまに美しさをみいだすことだよ」
と教えてくれたそうです。
醜くしがみつくクチナシの花に魅力を感じるならデカダンス映画の良さが分かるかもとのことでした。
アマプラにも他のネット配信にもなく、最寄り駅のTSUTAYAにもなかったけれど、数駅先のTSUTAYAでDVDがあるのを見つけ、早速観てみました。
古代ローマが舞台で、男色、酒池肉林、両性具有、自死、貴族、奴隷、色情狂の女など、場面が展開していくものの、その流れがつかめず、かといってファンタジーのように抽象化された表現でもなく、どう観ていけばいいのかという難解さがありました。
でも、終始美術表現が素晴らしく、なぜか魅力に引きずり込まれるものがあり、音楽のように何回も味わいたい映画のような、でもかなりエネルギーを消耗するから何度も観れないかもなぁというような、不思議な衝撃を受けたのでした。
ちなみに、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の虹泥棒という映画も同時に借りられたので、これで出回ってるホドロフスキー作品全部観れました。
ホドロフスキー監督の作品は、
マーチング・バンド、パレード、サーカス、風船、マジック、タロット、メリーゴーランドのような音楽など、非現実感のあるファンタジーな世界観と、肉や精神といった避けられない現実感が入り組んでいるような気がして、とっても揺すぶられるのです。
そういえば、作品によく出てくる小人症の登場人物、サテリコンにも出てきてたなぁ。
デカダンスシリーズで暗黒の森という映画もオススメしていただけたので、観るのが楽しみです!
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