グロリオサの雌しべはなぜ直角に曲がっているのか
今日、新宿駅で高知の生産者の皆さんがグロリオサという花の展示会をされていました。
立ち上る炎のように波を打った花びらと、燃えるような赤や鮮やかな黄の色はインパクトがあり、
花言葉も「栄光」という良い意味なので、よくお祝いの花に使われます。
でも、この花には疑問がありました。
通常は、昆虫や鳥に受粉してもらう花の場合、雌しべの周りに雄しべが並んでいるお陰で、訪花の際に触れ合って受粉されるのですが、グロリオサは、まるでわざと周りの雄しべを避けるかのように、雌しべがグキっと曲がっていて、また、雄しべも反り返って雌しべとは逆の方向に向かっているのです。
なぜあえて受粉しにくいような形態になっているのかが分かりませんでした。
そこで、生産者の方にこの疑問をぶつけてみました。
すると、
「花が咲き終わると、花びらが閉じて、雌しべと雄しべをくっつけ合うんですよ。そうやって自家交配(1つの個体で受粉が行われること)されるので、虫たちに頼る必要がないんです」
と教えてくれました。
え〜!咲き終わった後に受粉する瞬間が訪れるとは。。。
それに、むしろ他の個体同士で交配させるために自家交配しないようにするため形態なのかとすら思っていましたが。
受粉を風まかせでもなく、昆虫や鳥たちに頼らないで自力でするのであれば効率が良いですが、、、
でも、それならなぜ花を咲かせるのでしょう?!
調べてみると、
つぼみのまま開かずに、自分で受粉する閉鎖花という種類がある一方、
花弁が閉じた時に自分で受粉する仕組みの花は、他家交配(他の個体との交配)の余地も残しつつ、花が終わった後に確実に自分で受粉できるという、一石二鳥の仕組みになっているそうで、ツユクサややオオイヌノフグリがこれに当たるそうです。
なるほど!
植物の世界は不思議だらけです。
でも、理由を探っていくとそれぞれ子孫を増やしていく戦略が伺えて面白いです。
ちなみに、グロリオサを見ると、「もしもAMラジオで高知のグロリオサがCMをしたら」という妄想をして作ったオリジナルソングをいつも歌ってしまいます。
教えてくださった農家の細谷さん、ありがとうございました♪