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2017-10-22

「稽古」の語源 〜今を照らし、現在に活かす〜

盆踊りのお稽古。

華道のお稽古。
 

ふと、なぜ「稽古」には「古い」という漢字が使われているのか、「稽」という漢字ってどういう意味なのかが気になり、語源を調べてみました。
 

「稽」は「考える」という意味で、つまり稽古とは、「古(いにしえ)を稽(かんがえる)」ということなのだそう。
 

古事記の序文※から「稽古照今」という四字熟語にもなっていて、

「古から学び、今に照らし、現在の指針を見いだす」ということを言っているのだそうです。

「古を考える」のは、あくまでも「今を照らす」ためなのだと。

ほほ〜。知りませんでした。
 

その「今」というのは、「古」と対比させて「現代」と捉えることもできるし、
あの人でも、この人でもない、「私の今、この瞬間」と解釈してもいいのではないかなと思いました。
 

先人から学び、考えた上で、「で、私は今どう生きるの?」と自分に投げかけることが「稽古照今」なのでしょうか。
 
 

「稽古」とは、師匠を通じて、先人が培った理想の型や智慧を学ばせていただき、現在に何を活かすか考える機会をいただくこと。
 

それは、師匠が長年積み重ねた稽古があってこそで、また、そこには師匠なりの「照今」が含まれているということですから、
稽古をつけて頂くということは、「師匠が生きてきた人生の一部を授かる」という有り難いことでもあります。
 
 

今は、ネットでも動画でも本でも、独学で学べるものがたくさんありますが、「稽古」の語源を知ったことで、直接先生から指導して頂くということの尊さを改めて噛み締めました。
 
 

注)内容と画像は特に関係ありません。
 

※古事記の序文

「古(いにしえ)を稽(かんが)えて以(もつ)て風猷(ふうゆう)をすでに廃(すた)れ
るに縄(ただ)し、今を照らして以て典教(てんきょう)を絶えんとするに補(おぎな)
わずということなし」

=「古の事を考えてそれを今の有様に照らしてみて、道徳が頽れたの
を正し、正しい人の道が絶えようとするのを補わないと言うことはない」

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