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2020-10-21

お返しした

昨日は上皇后様のお誕生日ということで、ニュースでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、今は乳がん手術後のホルモン療法の影響で、指が思うように動かなくなり、お好きだったピアノも弾けなくなってしまったそうです。

やっと静かな生活ができるようになったのに、楽しみのピアノが弾けなくなるなんて、さぞ残念かと思うのです。

でも上皇后様は、これまで動いた手は「授かったもの」で、それを今は「お返しした」とおっしゃっているそうです。
そのお心に涙してしまいました。

私には美しい花を見る目も、
心踊る音楽を聴く耳も、
楽しく踊れる足も、
愛する人を抱き締める腕もあって、

とても幸せだとは思うけれど、
それがなくなった時に、
もともと無くて当然でお借りしていただけのものとまで思えるかなぁと感じるのです。

今はいろんな抑圧から解放されて、得られなかったものを取り戻したくて、もっとアレしたいコレしたいと欲深くなってる私です。

でもいつか、この世界に愛されてきた、そして誰かを深く愛し続けたという誇りで満たされたら、いつか「お返しした」という境地に至れるのでしょうか。

ということで、上皇后様が弾かれていたサンサーンスの白鳥をうっとり聴いていたら、今朝市場で買った資材をどこかに置いてきてしまい、うろたえていますが、「お返しした」と思うことにしました。

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