2021-03-24
もっと雑に?
花をもっと雑に扱いたいと思った
雑にっていうと語弊があるけど
学生時代はポケットにポンと小説を入れて電車でチビチビ読んでいて
ヨレヨレになった本を見て友達は扱いが雑だと言ったけど
ところどころページの角を折り曲げたり
線引いたり
カバーも外して裸のまま
グニャッと曲がってるけど
移動をいつも共にしたその本と私はすごく仲良しでいる気がした
そういう存在を愛おしく活かすかんじの軽やかな雑さがいいなって
前に話題になった“焼き鳥バラバラにしないで論”と同じような理屈が花束にもあって
どの花とどの花が隣合っているとか位置関係にそれなりに意図があるから
紐をほどかないでそのまま花瓶に入れてもらうのが造形的には完成形だったりする
でも例えば家に花があった時
奥さんが花束の紐を解いてこの花だけベッドルームに飾りたいとか
子どもが「綺麗だからお母さんにあげるーっ」て
花瓶から一輪抜いて手渡したくなるとか
女の子がお母さんに内緒で花を手折って髪に飾ってウットリするとか
なんかそういう花とコミュニケーション取りたいなって思わせる「隙」みたいなものが花束にあった方がいいんだろうなって
だから花屋としても
もっとラフに花と向き合って
近寄りがたい花束ではなくて
相手が入り込む隙を匂わせられたらいいなと
雑だけど関係性が深い
そんな扱いがしたいなと思った
そして自分自身もそういう感覚で扱われる人間関係をもしかして望んでるのかもなとハッとした
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