桜の盛り 死について考える
桜が盛りの土日ですが、東京は外出自粛要請。
我が家で少しずつ咲き始めた桜を愛でるとします。
先日、息子(21)と晩ごはんを食べていると、
「母ちゃんはこの先どう生きたいの?死ぬ時どうだったらいいと思うの?」
と聞かれた。
質問の意図を聞いてみると、就職を考えているけど、自分の人生にどう道筋をつけたらいいか分からないから、母ちゃんの望む人生も参考までに確認しておこうと思ったとのこと。
親の最期のことまで自分の人生を組み立てる上でイメージしてくれるなんて少し驚いたし、その問題解決の糸口の見つけ方に感心しつつ、
私が以前から思っていた自分の死にざまのイメージを話してみた。
「母ちゃんはね、もし脳死したら臓器提供してほしいし、延命治療はしなくていいよ。母ちゃんは自分の人生にもう満足してるんだから、オマエは何も罪悪感を感じないで母ちゃんを送ってくれていいからね。
明日もし母ちゃんが死んだとしても、もう十分幸せに生きたんだなって思ってくれていいんだからね。」
私は、助からないと分かっているのに延命治療することで息子に迷惑かけたくないし、
死んだ後も、
「もっと長生きしたかったんじゃないか」とか、
「本当は助けてあげられたんじゃないか」とか、
罪悪感を持って生きて欲しくないと思ってる。
死んだら私は消えてなくなるのに、せっかく命のある息子が死んだ私のために重い気持ちで生きなければいけないなんて可哀相過ぎる。母ちゃんはいい人生を生きたなぁ〜と爽やかに送ってもらえるのが一番だ。
なのに、そんな言葉を口にしたら、なんだか涙がこみ上げてきた。
やはり二度と会えなくなるその別れの日を想像してしまったら、やはり寂しくて。
もう十分生きたから満足なんて言っておきながら、まったく逆に、この世に、この生命に、執着している自分に気づいた。
涙をこらえる私に、息子はすかさず言ってくれた。
「俺も俺も〜!母ちゃんのこと延命治療しないでおこうって思ってた!!母ちゃんの臓器使った方がいいもんね?!」
おーーい!!
間髪入れずに人工呼吸器引っこ抜く勢いだな。
少しは躊躇してくれ!
まぁでも、死に方は選べないけれど、
仮に病気になって余命を宣告されるとしたら、
やっぱり私は周りの人に、
いい人生だったね、十分だね、と爽やかに思ってもらえるような去り方をしたい。
もし私が、「病気と闘うからね!私負けないよ!」なんて言って頑張っていたら、
そのまま死んでしまった時、
もしかして周りの人は、
「あんなに生きたいと願ってたのに叶えてあげられなくて悲しい、、、」とか、
「無念だろうな、、、」
「人生って思い通りに行かないもんだな、、、」
なんて、重苦しい気持ちになってしまうんじゃないかと思ってしまう。
自分の死は自分のものであるようで、残された人のものであるような気がして。
だから、本当に死が迫っているとしたら「病気に勝って絶対治るね!」とは言いたくないなと思ったり、
周りにも、生きろ生きろと応援されたりしたくないかも。
そして、残された時間は、少しでも命を延ばすためじゃなく、
「私、もうすぐ死ぬけど、あなたのお陰ですごくいい人生だったよ」
とみんなに感謝する時間にしたい。
もし、お見舞いに来てくれた人がいたら、
「病気絶対治してまた遊びに行こうね!!」なんて叶わない未来の話するんじゃなくて、
「あの時は楽しかったね、あそこ行った時はこんなハプニングあったね」と過去の笑い話をして、
いかに私の人生が楽しいもので、これ以上引きのばす必要なんてないんだという事を証明してほしい。
そして生前葬をやろう。
みんなをライブハウスみたいな所に呼んで、生きてる間にお葬式パーティーをする。
タイトルは、「私、死ぬんDEATH!!」(ドクロマーク付き)
一夜限りのバンドを組んで、蝋人形の館を演奏、
私は死装束に三角形の白い布をおデコにつけた姿で棺桶から飛び出すと、
「オマエを蝋人形にしてやろうかぁ〜?!」とシャウトする。
結婚式みたいに誰かが私の人生の思い出ムービーを作ってくれてて、
みんなで爆笑しながら鑑賞する。
その後はお色直しで、今度は頭に輪っか、背中に羽が生えた天使の格好に。
マイクを持って、
「わたしの〜お墓のま〜えでぇ〜泣かないでください〜」
と、千の風になってを熱唱しよう。
ひと通りご歓談を終えると、
私は棺に横たわり、お別れの時間。
棺桶の中にお花と、たんまりお香典でも入れてもらう。
そんな風に、私の人生を作ってくれた人と楽しくお別れができる最期だったらどんなに最高でしょうね。
でも、実際余命を宣告されたら、
「いやだいやだ〜もっと生きたいよぉおおお!!絶対治して!!絶対〜!!!治療?何でもするする!!」って暴れるかもしれない。
やっぱり死ぬのは怖いし、
大好きな人たちともっと笑いたいし、
何よりこの世に執着だらけだ。
ということで、ちゃっかり健康に生きてるこの生命で、まだまだ煩悩いっぱいに生きていきたいと思います。
生前葬のためのバンドメンバーも探しておかなくちゃ〜。
●オートクチュール・フラワーブランド「装花TOKYO」
「装花TOKYO」は、店舗を持たないアトリエスタイルのオートクチュール・フラワーブランドです。命ある生花のみを使い、特別なシーンのフラワースタイリングをオーダーメイドでご提供しています。
●オーダー内容
商品ディスプレイや撮影用プロップ、プロモーションイベントのフォトブース作りなど、特別なシーンにおいて、草花が持つ命のインパクトと視覚的魅力を活かした空間づくりをサポートしています。
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